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2016年度事業報告

2016年度の国内外情勢には次のような特徴がありました。

世界の温室効果ガス排出量を実質ゼロをめざす「パリ協定」が、昨年114日に発効しました。
そして第1回締約国会議が引き続き開催され、パリ協定と一体となる運用ルール策定に着手したことは画期的でした。今後、パリ協定の実効性を高めるために、CO2排出量削減と達成年の目標引き上げを促す仕組みづくりや途上国の対策など詳細ルールは、2018年開催される国連気候変動枠組条約第24回締約国会議(COP24)で決められます。
各国は、この「マラケッシュ行動宣言」に沿って、目標や対策強化を促す行程表を策定し2018年までに合意することが大きな課題となっています。
日本政府は、COP22で脱炭素や再生エネルギーに向かう世界の潮流から後れを取りもどすために、国内の2030年までの排出削減目標の引き上げと政策の実施や原子力と石炭火力発電を推進策の抜本見直しと実効政策の実施などが求められています。

東日本大震災(2011311日)による福島第1原発重大事故により福島を追われた人々は、避難者集団訴訟に踏み切りました。318日の前橋地方裁判所の判決では「津波は予見できたのに、その対策を怠った」として、国と東京電力に賠償命令が下されました。この判決の重みは、責任所在が国と東京電力にあることを法的に明確にしたことです。

未来へ負の遺産を引き継がないために、この時代に生きるものの使命として、脱原発そして脱炭素の再生エネルギーの実行計画が急務となってきています。 大阪では、公共用地ではメガソーラーを中心に進み、また民間では生協における大規模ソーラ―発電が建設されています。市民が見える電気が暮らしの中にできつつあります。

大阪府では市民共同発電所への助成金制度の創設され、今年度は豊中の保育園と吹田の障がい者作業所での発電が開始されました。また、市民の寄付金による共同発電所づくりも大阪府下ですすんでおり、エネルギー大消費地の都市部での市民に見えるエネルギー源の創出が喫緊の課題といえます。

福島原発事故による健康被害について、事故の収束の目処がつかず、汚染水の海への大量流出も止まらず、さらに、子供の甲状腺癌が年々増加、原発労働者の健康被害も新たにクローズアップされ、また、避難者差別が各地で引き起こされています。今後長年に及ぶ被害者の拡大について、福島の人々へ寄り添い支援することも環境活動の一貫と考えます。

事業の特色は、地球温暖化防止・地球環境の保全に向けた実践行動として2つの事業を開始し、市民参加を促すことでした。
一つには、資源循環型活動と協働による「天神祭りのごみを考える会」として、広範な市民運動としていくために、大阪市市民活動推進事業の助成をうけ、イベント時におけるリユースの推進の3年間事業の1年目として日本の三大祭りで来場者が最も多い天神祭会場における「天神祭ごみの実態調査と組成調査」を実施しました。この実施にあたっては、リユース食器を導入し、ボランティアによる分別回収ステーションを設けてごみ減量効果を上げている「祇園祭ごみゼロ大作戦」と連携しました。
二つには、都市型農業の重要性と都市の自然環境の保全に向けて、大阪自然環境保全協会と連携した「里山農空間保全の事業化」にむけ、大阪府下における水田の耕作放棄地を活用した実践の初につきました。
また、大阪における生物多様性の重要性と自然環境をネット配信する試みとした「淀川さんぽ」では、大阪湾から京都に至る淀川の野草、野鳥、魚等の観察を季節ごとに配信しました。

当会の特色である多様なジャンルの団体のネットワークを活かし、各団体間が互いに情報交換し、多くの市民参加を促し、環境を良くする実践のひろばとしての緒につきました。

活動計算書2016

貸借対照表2016

財産目録2016

事業報告書2016